もってのほか
●村山地域・置賜地域
●10月中旬~11月中旬
●おひたし、酢の物、和え物
淡紫色あるいは紫紅色の食用菊。シャキシャキした歯触りでほのかな香りや甘みほろ苦さが特徴。名前の由来は「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか」や「もってのほかおいしい」などから言われるようになった(諸説あり)。
山形県には、山形の気候風土の中で、昔から地域の人々の手によって守り受け継がれてきた農作物が、数多く残っています。地域の宝とも言える山形ならではの伝統野菜を、より多くの方に知っていただき食べていただくため、山形県とタイアップしながら活動し令国に発信してまいります。
平成28年に山形県より、四季折々のやまがた伝統野菜の魅カを発信するため、PR大使の委嘱を受けました(山口美香)。
※ここに掲載しているのは「やまがた伝統野菜」の一部です。
この他にも、山形県にはたくさんの伝統野菜があります。
●主な産地
●収穫期間
●食べ方
※期間は天候等に左右される場合があります。
村山地方の伝統野菜
●村山地域・置賜地域
●10月中旬~11月中旬
●おひたし、酢の物、和え物
淡紫色あるいは紫紅色の食用菊。シャキシャキした歯触りでほのかな香りや甘みほろ苦さが特徴。名前の由来は「天皇の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか」や「もってのほかおいしい」などから言われるようになった(諸説あり)。
●県内全域
●10月中旬~12月上旬
●漬物
タカナの一種で独特の辛味と食感がある。明治41年に奈良県から種子が導入された。一株が500g、丈が70~80cmと大きく幅広の葉肉は厚くてやわらかい。また漬け込んでも(青菜清やおみ漬など)軟化しにくく歯ざわりが良いのが特徴。
●山形市、天童市、上山市
●10月中旬~2月頃
●おひたし、汁物、妙め物
根や葉の付け根が赤いほうれんそう。やわらかくてアクが少なく甘みがあるのが特徴。山形市風間の農家が昭和2〜3年頃、栽培した中から選抜。日本在来種(角種)の秋播き品種。耐寒性があり大株(200〜300g/株)となる。
●山形市悪戸地区
●10月中旬~11月中旬
●いも煮、煮物
山形市西部の悪戸地区で昔から栽培されているさといも。普通のさといもより粘りが強く長時間煮込んでも煮崩れしない。普通の品種よりも収穫時期が遅い。粘りと口の中でふわりと溶ける食感が特徴で山形名物いも煮に最適。
●山形市蔵王地区
●9月中旬~9月下旬
●煮物、揚げ物、冬至かほちゃ
山形市蔵王成沢の農家が昭和23年、現在の上山市の実家から種子を持ち込んだのが始まり。果皮は灰白青色、へその部分は約10cm程度。マサカリやナタを使わないと切れないほど硬く「マサカリかぼちゃ」とも呼ばれてきた。食味がよくホクホク感があり長期間保存しても風味が落ちないのが特徴。
庄内地方の伝統野菜
●酒田市袖浦地区
●12月下旬~4月中旬
●おひたし、酢味噌和え
庄内の冬の味党として有名。シャキシャキした食感と特有の香りと辛味があり、おひたしや酢味噌和えにして食べられる。最近は健康志向や食の多様化などから、関東地方での人気が高くなっている。風邪予防や疲労回復に効果的。
●酒田市平田地区
●10月~12月
●薬味、焼きねぎ、鍋物
長ねぎの白い部分が赤くなるのが特徴。一本のまっすぐ伸びた赤ねぎは全国的にも珍しい。生食では辛味が強く火を通すとトロッとして甘みが強くなる。栽培を始めた当時、薬用として風邪薬にしたり、痛み止めとして患部に貼り付けたりしていた。
●鶴岡市白山地域
●7月~9月
●茄でる
今から100年以上も前から栽培され、さやが茶色でーつのさやに2粒入っているものが多い。味は独特の風味と甘さ、旨みがある。だだちゃとは庄内地方の方言でお父さんの意味。「今日はどこのだだちゃの豆か」と聞いたことから呼ばれるようになった(諸説あり)。
●鶴岡市温海地域
●10月~12月
●酢の物
原産は中央アジア、シルクロードを経て日本に伝わったと言われ320年の歴史がある。現在も伝統的な焼畑農法が続けられている。天明5年(1785年)に徳川幕府に献上したとの記録が残されている。根部外皮は暗紫色、内部は白色。皮は薄く肉質は緻密でやや固く、甘みがある。
●鶴岡市外内島地区
●6月下旬~8月上旬
●漬物、ピクルス
弘法大師が出羽三山に向かう際、のどの渇きを癒すために食したとも伝えられている外内島きゅうり。果皮は半分白く半分緑色に色づき、生だと食べる場所により苦味や味わいが違う。ピクルスや漬物にして、お茶うけやご飯、お酒のお供として喜ばれている。
置賜地方の伝統野菜
●山形市、南陽市
●3月下旬~11月中旬
●おひたし等
海岸に自生するアカザ科の一年草。江戸時代初期に最上川を利用し内陸に伝えられ南陽市で栽培されたのが始まりで昭和50年代から首都圏市場への出荷が始まった。形状が海草のひじきに似ていることから「おかひじき」の名がついたと言われている。
●置賜一円
●6月下旬~9月下旬
●一夜漬け
南陽市の沖田与太郎氏が昭和20年代に新潟からの行商人を通じ種子を入手、選抜したのがきっかけ。当初は「沖田なす」と呼ばれたがその後「薄皮なす」「薄皮丸なす」と表現が変化していった。小なすとして収穫され皮が薄くやわらかいため一夜清けに向く。
●米沢市、川西町
●5月下旬~8月下旬(新梢) 3月~5月(新芽)
●おひたし、てんぷら、和え物
上杉鷹山公が刺があり防犯にもなり非常食として利用できるうこぎ垣根を推奨したことから始まる。たらの芽、うどと同じウコギ科の落葉低木で樹高は2m~7m。短枝を多くだし4~7mmの細い刺がある。春に伸びてきた新芽を収穫する。
●川西町
●10月下旬
●煮豆、大豆加工品原料、菓子原科
川西町内において煮豆用として少量生産されていたもの。町内において「赤豆」とも呼ばれ、主に煮豆用として地域の食文化を伝えてきた。近年この「赤豆」を復活するべく生産組織が立ち上がり生産拡大が図られるとともに様々な新商品が生み出されている。
●米沢市
●12月中旬~3月上旬
●ふすべ漬け
「雪菜」は雪の中で育つ全国でも珍しい野菜。ルーツは雪国の生鮮野菜の確保のために米沢藩主上杉鷹山公が奨励し栽培を進めたことから始まったと言われている。従来は「かぶのとう」と言い「遠山かぶ」のとう(花茎)を食していた。現在は長岡菜との自然交雑から選抜育成したものである。
最上地方の伝統野菜
●金山町漆野
●8月中旬〜9月下旬
●乾燥したものは煮豆や昆布巻き、未熟のものはおひたしなど
昭和14年に炭の検査員から寄贈された種子を元に金山町の荒木家のみで代寿栽培されてきた。つるがなく若さやのまま食べてもやわらかくておいしいがさやごと乾操させたものを戻して食べることができるのが特徴。煮るとさやが透きとおり中の豆が見えて見た目も美しい。
●真室川町、最上町、戸沢村
●6月下旬〜7月上旬
●にんにくごんぼ(すりおろして味噌と合え、ごぼうをつけたもの)、揚げ物など
各地で昔から栽培されてきており外皮が赤紫色のためこの名がついた。普通のにんにくより大粒で、貯蔵性に優れ芽が出にくいことから首都圏のレストランなどから注目されている。生では辛味が強いが、焼くとほくほくとした食感になり甘味が出るのが特徴。
●新庄市本合海畑地区
●7月上旬〜10月中旬
●煮物、揚げ物
畑なすは、新庄市の南西部にある畑(はた)地区でのみ栽培されている。最上川北前船の舟運で船頭さんによって種が伝えられたとされている。清涼な気候でゆっくりと生育する畑なすは果肉が緻密で甘みがあり皮が薄くてやわらかな果肉でありながら煮崩れしにくく、食べごたえもあるのが特徴。
●大蔵村滝ノ沢
●11月中旬
●甘酢漬けなど
全体的に赤く、下部にいくと少し白っぽくなる。大根に近い形状で肉質が固いので長期保存の利く漬物ができる。近くの肘折温泉へ出荷していることからこの名がついた。昔は塩だけで清けていたが今は甘酢清けとふすべ 清けにしている。
●鮭川村曲川楢山
●9月下旬~10月中旬
●枝豆、じんだんなど
大友家で「なっしょ(苗代)豆」として栽培されていたもののうち枝豆で食べたとき、特に風味がよいものを選抜したもの。平成17年に「楢山(ならやま)神代豆」で商標登録した。さやも豆も大きく枝豆 にしたときの独特の甘味と風味が特徴。